捨て猫太郎のすくすく日記 3

7月1日 「寝姿」

ポテとチョビがうちに来て、はや10日あまり。

例の三角関係は変わらないが、 それぞれ今の状況に慣れたのか、 午前中はごはんを食べたり、日向ぼっこをしたり、 大遊びをしたりで忙しいが、 お昼前ぐらいになると、割とみんないい子で眠る。

面白いのはその寝方で、 たろたろはいつものごとく仰向けで手足を伸ばして眠る。

おなかをぺろんと出したままで、あまりにも緊張感のない寝姿。

今日もオームかごの隣にある自分のお眠りかごでおなかを見せ、 前足は胸のところでクロスさせ、 後ろ足はピンと伸ばし切って眠っていた。

と、お隣のかごを見ると、 ポテもおなかを見せて、口を半開きにして寝ている。

体型は違うけれど、ほとんど同じ状態。

猫もどうかとは思うが、ほとんどまだ野生であるプレーリードッグが こんな風に無防備に眠りこけていいものだろうか。

うちへ来る度に大きくまるくなっているポテは、 今やベッドのプラスチックケースにほぼいっぱい。

就寝体制に入る時はそのケースの中で窮屈そうに体を丸め、 頭を下の方に潜り込ませて、まさしくドッジボール状になる。

そしてその頭をどんどん潜り込ませていって、 くるりと前転したようになり、 結果、このような形となる。

でもおさまりが良いのか、 これが最終形となってずっとこのままの状態で眠る。

こうなると、頭を突こうが、おなかを触ろうがまったくおかまいなし。

そしてチョビはと言うと、ポテの上に乗っかって、寝ている。

でもまだチョビの方は、少しこちらの気配を察すると、 すぐに目を覚まし、かごから出せ出せと、大暴れ。

ガタガタと金属製のオリを揺らし、 時には上からどすんとポテの上に落ちたりもするが、 それでもポテは爆睡中。

太郎とポテはものすごい大物か、それともただの無神経か。

それは今のところ、まだ謎である。

7月3日 「通院」

太郎の2回目の三種混合ワクチンを受けるため、 夕方いつものY動物病院へ。

最近、太郎は少し自我が芽生えてきたのか、 外に出ると何となく怖いようで キャリーを自転車にくくりつけて走り出した途端、 病院に着くまで鳴きっぱなし。

あまりの声に道行く人々に振り返られながら病院に着き、 キャリーを開けると興奮して、鼻をまっピンクにして怒っている。

足のゴムにも汗をかいていた。

よしよしと手を入れかけたら、まずガブッとひと噛み。

でもそれで一息ついたのか、 ぱったりと鳴きやみ、もう興味は待合室にいた かわいい犬の赤ちゃん5匹に。

黒っぽいテリヤ風の子犬たちで、 どの子もぽわんとした表情で、ひたすらかわいい。

籐の丸いかごに5匹並んで、飼い主の人のひざにいたのだが、 太郎はちょっと一瞬考え込んだかと思うと、 そのかごの中へいきなりダイビング。

子犬の頭に両前足をのせて匂いを嗅いだり、耳を甘噛みしたり、 好き放題して、私はドキドキしたが、 飼い主の人が笑ってくれたのでちょっと安心。

私が太郎を抱き上げようとすると 「いいですよ」といってくださったので、 お言葉に甘えてそのままにしていたら、 順番がくるまでの15分ぐらい太郎はずっとそのかごにいた。

子犬たち、大きさは太郎の3分の2ぐらいだろうか。

まだ赤ちゃんだから2~3頭身で、頭ばかりが目立つが、 その中で太郎の頭の大きさもあまり変わらない。

やっぱり頭が大きいと再確認した。

FVRからきていた結膜炎の方は良くなっているということで、 いつもどおりいろいろ質問を受けながらていねいに診ていただき、 大丈夫ですということで無事ワクチンを打っていただいた。

ワクチンを打てるまでになったので、ちょっと安心というところだが、 FVRが完治したわけではないので、 またちょこちょこと症状がぶり返すこともある、 今までどおり気をつけてあげてください、ということだった。

パワフルな太郎に、 ついついこの子が病気だということを忘れがちになる私。

微妙な変化を見落とさないよう、あらためて注意しよう。

7月6日 「合宿終了」

今日コガワさんがお迎えにきて、ポテとチョビはおうちへ帰っていった。

太郎は誰もいなくなったオームかごの上にのって、ちょっとさみしそう。

所在なさげに、すきまから手を入れてみたりしているが、 いつもならすぐにそばにくるポテもチョビもいないので、 つまらなそうに床にべったりと腹ばいになって寝たふりをしていた。

今回は結構長かったので、 もういるのが当たり前なぐらい慣れていた。

7匹の猫たちはもう大人なので、種族は違ってもポテやチョビの方が 太郎にとってはいい遊び友達だったようだ。

しばらくたって、よし、ちょっと遊んでやるかと太郎を探すと、 いつのまにかガンゾウのところへ遊びにいっている。

・・・心配して、損した気分。

7月9日 「悪童太郎2」

まだ梅雨は明けていないはずだが、すごい暑さ。

日差しはもうしっかり、真夏という感じ。

ほんと、夏っていつもいきなりだよなぁと思いながら、 掃除機をかけていたら、 テレビの後ろから「ないない」と思っていた髪止めが出てきた。

他にもダブルクリップや、何かのフタ、たばこの空き箱などなどなど。

ここは1週間に一度ぐらいしか掃除しないので、 これは1週間の太郎の成果というわけ。

ここの他にも太郎の基地は、私が知ってるだけでもう3ヵ所ある。

でも宝物をどの基地に隠すかは、行き当たりばったりではないらしい。

寝室の洋服ハンガーの奥のところには、 だいたいビニル系の宝物が置いてある。

コンビニの袋やクリーニングのカバー、携帯ティッシュの空き袋などなど。

一応、あの子にはあの子なりのポリシーがあるのだろうか。

でも、この宝物ごっこはまだいいのだが、 太郎のいたずらで一番困るのは、噛み噛み攻撃。

この間わが家にもう一台マックが増えたのだが、だんながいそいそと マックを設置している時、「あ、ぁぁ」と悲痛な叫びが聞こえてきた。

リビングにいた私がなぁにと聞いても 「太郎が、太郎が」としか言わないので 仕事部屋をのぞいてみると、デジタルカメラの取り込みコードが見事に 食いちぎられていた。

それも一度にすぱっと噛み切ったのではなく、 何度も何度も噛み噛みしたように、あちこち切れかかっている。

わはははは、これはもう怒るとかより笑うしかない。

だんなはその後しばらくひきつった顔で他のコード類を調べていたが、 とりあえずコードはこれだけで助かったようだ。

マックの後ろは、何だか訳のわからないコードでもしゃもしゃになってて、 太郎にはヘビが50匹ぐらい固まっているようにみえるのだろう。

でもこれ以来、太郎は仕事部屋には立入禁止となった。

7月12日 「健康」

ここのところ、ちょっと体調の悪い私。

でも猫たちもこの暑さのせいか、 あまり元気がない。

ゴンゾウ率いるハーレムチームは元気いっぱいなのだが、 ガンゾウ、ベンゾウ、ブンゾウの息子チームが全員元気がない。

この子たちは全員尿道結石を患ったことがあり、 予防のため3匹とも特別療養食を食べている。

普通のキャットフードに比べると値段が4倍ぐらいするので、 ちょっと頭が痛いのだが、これに切り替えてから確かに再発しないので、 もう2年ぐらいずっと同じものを食べさせている。

でも、脂肪の量もかなり多いらしく それぞれどんどん体重が増えて、ガンゾウは今や米袋目前。

ベンゾウもそれに近づきつつあるし、ブンゾウもまたしかり。

太り始めてから、いつも7匹がかかっている病院の先生に相談したのだが、 「仕方ないですね」という反応だったので、 気になりながらもそのままにしていた。

でもこの間、太郎のワクチン打ちのときに、 Y動物病院の先生に相談してみたところ、 尿道結石の予防フードでカロリーの低いタイプがあるということだった。

急な暑さもあるとは思うが、この巨体ではなおさらそれがこたえるだろう。

私の体調が良くなったら、もう一度Y動物病院へ相談に行こう。

太郎は元気満々で、食欲も旺盛。

それはいいのだが、むこうの猫部屋に行った時に この特別療養食を食べてしまうことがある。

これは幼猫には逆に良くないので太郎が行った時は隠している。

この間の通院の時に、太郎の去勢の時期についても少し相談したのだが、 その時いろいろ参考になることを教えていただいた。

普通、去勢や避妊は生後6ヵ月、 体重なら2,5~3キロになったらできるのだが、 できればある程度、それよりも大きくなってからの方がいいかもしれない ということだった。

去勢や避妊自体は、猫をむやみに増やさないためにも、 また子供を作らないつもりならかえって猫自身にもいいのだが、 十分に性器が発達しないうちにすると、それがその後の体質などにも大きく かかわってくるらしい。

うちのゴンゾウ・ノン夫婦の子供5匹のうちの男の子はみんな 猫泌尿器症候群(略してFUS)にかかった。

同じような環境の中で同じものを食べていて、 どうしてゴンゾウだけこの病気にかからなかったのだろうと、 以前から疑問に思っていたのだが、 ゴンゾウは子供を作ってから去勢している。

つまり、ちゃんと体が大人になってから手術をした。

オス猫は発情期になると「スプレー」と呼ばれる行為をする。

縄張りを示すためにあちこちにおしっこをひっかけるのだが、 発情期は特に匂いがひどい。

またシーズンが終わってもその匂いがついているために、 それまでちゃんとトイレを覚えていた子でも、それを境にむやみやたらに あちこちでしてしまうようになることも多い。

だから、できれば初めてのシーズンが来る前に去勢をすることが多いのだ。

うちもそんなわけで手術できるようになってから、 すぐに子供達を去勢したのだが、体は大きくなっていても、 まだオスとしてちゃんと大人にはなりきっていなかったのかもしれない。

先生は明快にその関係が証明されているわけではありませんが、 と断って話してくださったのだが、 うちの猫たちのケースで考えると、それが原因のような気がする。

太郎もできるようになったらすぐ去勢しようと思っていたのだが、 多少家の中が汚れても、一度発情期を迎えてからした方がいいだろうか…。

今、私は結構悩んでいる。

7月15日 「いいお勉強」

朝、何気なくニュースを聞いていたら、 大阪近辺は7月上旬の後半に梅雨明けしたと考えられる、 みたいなわけのわからないことを言っていた。

何だ、やっぱり梅雨明けしてたんだ。

それにしても気象庁は、どうしてこんなに うじうじした言い方しかできないんだろう。

ぷんぷん。

今日は太郎によって無残な姿と化した植物たちの手当てをした。

この1ヵ月ほどの間に、 私の大事な植物たちは軒並み、悪童太郎によって破壊された。

他に彼の興味を引くものがあればいいのだが、 猫部屋エリアも探険しつくした彼の興味は 小さなベランダの片すみの植物たちに向いていたらしく、 ここしばらく朝水遣りをするたびに、 その重大な被害を発見していた私。

プランターの土は見事に掘り起こされ、根っこがむき出し。

まだかろうじて元気なものも、葉っぱには歯形がつき、 鉢植えのいちばん下にあるはずの石が見えている。

その都度、被害にあう度にいくつかはむこうのベランダに 避難させていたのだが、一見無事に見えていたのも、 調べてみると大変、大変。

様子を見ながら、株分けをしたり間引きをして、 肥料をやり、濡れた新聞紙でくるんで看病をする。

太郎がお世話になっている山下動物病院には、 いろいろ有意義な情報がいつも待合室に貼ってあるが、 その中に「猫に有害な植物一覧」というのがあった。

ツタ類やラッパ水仙など、結構身近にある植物40種類ほどが書かれていた。

今季節の紫陽花もよくないそうである。

このおかげで、良くないものは別のベランダに移したのだが、 今まで植物に関しては何も意識していなかったので、 いいお勉強になりました。

 

7月18日 「混乱」

先週末、一通の封書が届いた。

ある動物保護団体からのものだったが、 内容はひどく残酷で悲しいものだった。

個人に関係することも多いので、具体的なことは省くが、 あるところで飼われていた猫45匹が とてもひどい状態になっていたということ。

ある一室に猫たちだけで放置されたような状態で、 飼い主は3日に1回食事を置いていくだけ。

当然去勢も避妊もされていないため、 当初は20匹足らずだったのが その倍以上の45匹にふくれ上がってしまったのだろう。

期間はわからないが、かなり長期に渡ってそういう状態だったため、 床には70センチ以上のゴミや汚泥がたまって、 相当な異臭を放っていたらしい。

さらに良くないことにそこが共同住宅の一室だったので、当然のことながら 他の住民の怒りも激しく、 大勢の人を巻き込んで大きな騒ぎになってしまった。

そしてその猫たちを救出しようとする人たちと、住民の間で もめ事が続いたが、 2日前、何回目かの救出活動で猫を全部保護できたということを 今日関係者の人から聞いた。

莫大な費用と労力をかけて猫たちを保護した人たちには本当に頭が下がる。

10分とはいられない悪臭の中で、 汚泥の中をさぐって猫を助け出しては洗って病院に連れていき、 安全で清潔な場所で保護する。

住民ともめながらの救出作業で、 全部の猫を保護するには2週間あまりかかったようだ。

でも、住民の人たちの怒りも当然だとも思う。

古い共同住宅の中では、 この暑さも手伝って、相当な悪臭だったろうし。

やはり悪いのは、その元々の飼い主だろう。

確かに捨て猫を見つけて、それがまだ子猫だったり、 病気やケガをした猫だったら私も見過ごせないとは思う。

でも、かといってただ拾うだけではだめなのだ、絶対に。

猫だって、恋をして子供もできるし、病気もする。

もちろんおなかもすくし、トイレにも行く。

食欲も性欲も、遊びたい気持ちも、のんびりしたい気持ちもある。

45匹の猫たちは、今どんな表情をしているのだろう。

7月22日 「アビシニアン」

最近、あの45匹の猫のことも含め、他にも気の滅入ることが少し続いて、 ちょっと化石状態だった私。

そこに、今日もうひとつ追い討ちがかかってしまった。

もう1ヵ月近く前だろうか。

仕事の打ち合わせに外に出た時に、 あるペットショップをのぞいた。

猫じゃらしがボロボロになったので新しいのを 買うつもりで入ったのだが、そこにアビシニアンの猫が売られていた。

その時はただガラス越しに、かわいいなぁと見ていただけだったが、 またその2週間ほど後に、そのお店の近くにいて 「あの子はどうなったかなぁ」と思いついて見にいった。

最初に見た時も、もう子猫とは言えないぐらいの大きさだったが、 さらにひとまわり大きくなって、そのアビシニアンの猫はいた。

ガラス越しに「ああ、まだいたねぇ」とその猫に話しかけていたら、 アルバイト風の女の子が、いやに熱心に私に買わないかと勧めてくる。

もううちには8匹いてとても無理だと言うと、そうですか…といいながら 「この子、今月中に売れないと処分されちゃうかもしれないんです」 と言う。

ショブン?処分? ペット業界のことはよく知らないが、 普通売れ残ってしまった子は繁殖家のところへ戻されるか、 それとも子供を生ませる用にどこかで飼われるのだろうと漠然と思っていた。

でもその女の子によると、 まぁまぁの血統書付きの子はそうらしいのだが、 純血種といえない子は子猫のうちに買われず、 ある程度大きくなっても引き取り手がないと、 そういうケースもあるというのだ。

それを聞いた時は、頭の中がぐるぐる回って、 半分逃げ出すように帰ってきてしまったのだが、 やっぱりとても気になってその後何回か見に行った。

売れていますように、売れていますようにと思いながら、 お店が近づいてくるとドキドキしながら行ったのだが、 アビシニアンはいた。

このままだと…、それにもうあまり時間がない…。

うつうつと考えていたのだが、 3日前に思いきってだんなに「もう1匹、だめかな」といってみた。

げっ、といいながら、呆れたように顔を見返されたが、 そのアビシニアンのことを話したら、 「うーん、まったくもう、困った人だなぁ」といいながらも、 そうしたいのならいいよ、という返事をもらい、 今日意を決して、銀行でお金をおろして、そのペットショップへ行った。

でも、いなかった。

いつもいた一番隅の下のゲージをのぞき、 そのほかのゲージも全部見たのだがいない。

ああ、売れたのかなと思い、 いつものアルバイトの女の子を捜したのだが、今日に限って彼女もいない。

おそるおそる他の店員の人に聞いてみたのだが、 何か書類みたいなものを見たまま 「ああ、あの子はもういませんよ」と言われた。

売れたんですか?と聞くと、 その時やっとこっちを見て、うるさそうに 「だから、うちにはもういないんです」といって奥に入っていってしまった。

今日は22日。

まだ月末じゃない。

売れたか、誰かに引き取られたのなら…と思いながらも、 気持ちの中でどんどん不安も広がっていってしまう。

うちへ戻ってきてからも、 ずっとそのことが頭から離れず、ぼーっとしていたが、 コガワ嬢がまた明日から出張で、 今夜からポテとチョビがくることになっていたので オームかごを出して組み立てていたら、太郎が寄ってきて 「何?なに?」とじゃれついてきた。

太郎を抱っこして、ポテとチョビが来るよ、 でもね、今日は太郎のガールフレンドもくるはずだったんだよと話していたら、 ぽろぽろと涙が出てきてしまった。

だめ、だめ、だめ、だめだよね。

こんなんじゃ。

明日とりあえず、 あのアルバイトの女の子に何とか連絡をつけて確かめてみよう。

ねっ、たろたろ。

7月23日 「状況変わらず」

結局、今日もアビシニアンの行方はわからなかった。

何度か電話をしてみたものの、あの女の子の名前も知らなかった私、 不審がられながら彼女の名前はわかったものの、 連絡先を教えてほしいといったら 教えられませんと電話を切られてしまった。

昨日来ていたのが私だとわかってしまったみたい。

それに普通、連絡先なんておしえないのが普通だし。

だんなは売れたんじゃないのか、と言う。

私もそうであればいちばんいいし、うれしいけれど、 お店の反応を考えるとやっぱりうつうつとしてしまう。

喉まで出かかっていたけれど、 お店の人に処分されたのですか?と聞く勇気はなかった。

でも、このまま、ただ考えていても始まらないので、 明日電話でもう一度聞いてみよう。

あの女の子がいてくれたらいいのだけど。

ポテ、チョビ、太郎の三角関係は絶好調。

この間からそれほど日が経っていないから ぼんやりとでも覚えているのだろうか。

でも、チョビはひとり、ただひたすらにうるさい。

ずっとかごの出入り口のあたりを がちゃがちゃ、がちゃがちゃとひっかいている。

ひと遊びしたポテはすっかりいい子で眠っているのに。

ずっと外に出しておけばいいのだが、 この子たち太郎以上に何でも噛むので そばでつきっきりで見ていないといけない。

それに部屋中がトイレになってしまうので、 午前中と午後とそれぞれ1時間ぐらい出してやるのが精一杯。

今はちょっと弱っている私、十分かまってやれないけど許してね。

7月25日 「ちっちゃな進展」

アビシニアンのこと、少しだけ、新しいことがわかった。

昨日ペットショップに電話したら、 いつものあの怖い店員さんとは別の人が出たので、 あの子は売れたのかを聞いてみた。

そうしたら売れたのではなく、別の仲介業者の方へ移ったという。

私が最初は飼える予定ではなかったのだが、 何とか飼えるようになったので、その連絡先をおしえてほしいと頼むと、 もううちの手を離れてしまったので、ということだった。

あの女の子に悪いかなと思いながらも、 処分されたわけではないのですね、と聞いたら、 一瞬電話の向こうでぎょっとした感じだったが、 別の業者に移ったのは確かであること、 でもそれがどこかとか、その後のことは その人ではわからないということだった。

アルバイトの女の子のことも聞いてみたが、 もしかしたらもうこのままやめるかもしれないということだった。

でもやめるにしてももう一度こちらに来るとは思うということだったので、 うちの電話番号を伝え連絡してもらうように頼んで電話を切った。

結局、わからないままと言えばそうなのだけれど、 少なくとも処分されたということではなかったので、少しだけほっとする。

でも月末まであと1週間。

何とか早くあの女の子と連絡が取れるのを待つばかりである。

7月26日 「捨てないでね」

朝起きてからオームかごをのぞいたら、 チョビのおでこの毛がすり切れて少し赤くなっていた。

丈夫にできているかごの金属の網にガンガン頭を打ちつけるからだろう。

はげちょびん、チョビ。

ポテの方は目があったり、外から帰ってただいまというと、 キャンッと鳴くぐらいだが、小ギャル、チョビはやたらにうるさい。

今や、チョビと名前では呼ばれずにわがまま女とうちでは呼ばれている。

昼夜関係なく、かごをがちゃがちゃ言わせているので、 少々私の方も疲れ気味である。

それにおふとんがわりの布がガーゼでできていて、 すぐに糸を引っ張り出すので気が気ではない。

以前、5月の末ごろだっただろうか。

夜12時近くにコガワ嬢から、 チョビが糸を指に巻きつけて指がぽんぽんに腫れているが、 どうやってもそれが取れないと慌てた様子で電話があった。

プレーリードッグの指はとても細く、それにまだチョビは小さいので よけいに取りにくいのだ。

結局以前うちの猫たちも行ったことのある、 動物の夜間救急病院へ行き、 指の先っぽの方は取れてしまったが何とか元気になった。

野生がまだ強く残っているのか、 その指も今は半分ぐらい生えかけてきているが、 そのこともあって細い糸が指に絡まっているとドキッとする。

でもどんな動物でも病院代は、やはり相当高い。

夜中も診てくれる救急病院ということもあるが、 うちの猫の時はタクシー代も含めて、 1回で5万5千円ほどかかってしまった。

普通の昼間の病院の時でも1回2~3万はかかってしまうことが多い (でも、Y動物病院はとても良心的だけど)。

病気もケガも何もないことがいちばんだが、 もしもの時に病院へ連れていってやることができないのなら、 動物を飼うべきではない。

彼らと暮らすには、お金も手間もしっかりかかるのだから。

大きくなっちゃったからとか、病気になったからとか、そんな理由で 動物を捨てたりする人というのは、私が思ってた以上にとても多い。

そういうのを見聞きすると、腹が立って、落ち込む。

うっ、最近何だかついマジになってしまう私。

ちょっと恥ずかしいかも…。

でも、そんなこんなで動物病院に来ている動物を見ると、 良かったね、いいご主人だね、といいたくなってしまう。

ポテもチョビもシアワセものです。

 

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