「頑なな30男のココロ和ます姫君の巻」:ケモノちゃんモノモノ(動物コラム)


(写真はイメージです)

「頑なな30男のココロ和ます姫君の巻」

本名:ナターシャ
年令:3歳4ケ月
種族:猫/ロシアンブルー
後見人:ユキヒロ/35歳 *現在は独身

元々は、かなりの動物ギライだったユキヒロ。38過ぎまで犬猫はおろか、昆虫の類 いも含めて一度も動物と暮らしたことのなかった彼が、なぜナターシャと一緒に暮ら すことになったかと言えば、今は元妻となったサオリのせいである。結婚生活2年ちょっとの間に、サオリが連れ込んだ動物といえば猫に始まりセキセイインコ、フェレ ット、ウサギ(ネザーランド・ドワーフ)、ジャンガリアン・ハムスター等々。

最初は広々していたリビングが毎日仕事から帰る度に、ゲージや動物用ラック(各動 物用の餌類を入れた密封容器やトイレチップなどが満載)などで侵食され気づいた時 はミニペットショップ状態。いつもザラついている床や各ゲージの周りに散らばった 木屑や餌、何とも言えない動物の香りは、潔癖性気味の彼にはかなり堪えたようであ る。だが、そのうち止むに止まれずゲージの掃除をするようになって、動物たちに恐 る恐る触れるようになってみると、あーら不思議。名前を呼ぶと振り向いたり、警戒 心なしに仰向けで寝入ってる姿を見ているうちに、いつのまにか可愛く思えるように なった。

がっ、しかし運命とは皮肉なものである。彼が動物達に平気で触れるようになった頃 離婚。その少し前から、どうしてもある地に住むと言い出していたサオリがとうとう 本当に移住することになり、去って行ってしまった。しかも動物達を全員連れて。

一気にがらーんとした家、ゴミやホコリや動物達が醸し出す臭いや雑音から解放され たものの、淋しいことこの上ない我が家。自分以外に生き物がいないと、こうも静か になるんだと痛感。いつのまにか仕事帰りに、毎日のように寄るようになったペット ショップで出会ったのがナターシャ。チビながらもグレーの毛に被われたしなやかな 身体、光によって灰色にも緑にも見えるアーモンド型の瞳。その容姿の美しさもさる ことながら、ユキヒロの顔を見るとみゅーんと寄って来る愛らしさ。最初はガラス越 しの逢瀬を重ねていたものの、とうとう4日目に商売上手な店員の口車に乗って抱っ こしたのが最後、次の日には大枚11万円を持ってお迎えに。。

この子がまた、彼いわく「そりゃ性格も可愛い子」。家に来た翌日、仕事もほとんど 手に着かず飛んで帰ってみると、玄関の靴の中で眠っていた。その姿を見た時は、涙 が出そうなくらい感激したそうで。。台所に立っていると足下でみゅうみゅうと鳴く ので、肩の上に置いたらずっと上手に乗って、体重約4キロの今もいつも家に帰った ら肩乗りしてるそうである。彼女のために買い込んだものは5万円のキャットタワー 始め、数知れず。仕事に行ってる間以外は、毎日夜から朝まで一緒。週末もずっと一 緒。猫には珍しく車にも慣れているので、買い物も一緒に行くし、たまに実家に帰る 時も勿論一緒。

たまに少し悪戯をしても「そーかこーゆーものにも興味を持つのかぁ。。」と感動こ そしても、決して声を荒げることもない。まさに、目の中に入れても痛くない溺愛ぶ り。彼の今の最大の懸念は、避妊手術と独立問題。できれば子供を生ませてあげたい からと、周りの再三再四の忠告にも屈せず、グズグズグズと一日延ばしにしている。 だったら早くそうしなさいと言えば「それはナターシャが知らない男に抱かれるって ことなんだぞ」と真顔で応戦する彼。やれやれ。。でもって少しでも淋しい思いをさ せないために、仕事も独立したいそうだ。やれやれ×2。まぁ、お幸せに。。

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