テレビ万有時報vol.55
「自分の感受性ぐらいは・・の巻」

4週連続ドキュメンタリー「テージセー〜1461日の記憶〜」を拝見しました(日本テレビ、毎月曜夜10時〜の「夏ドキュ!」内で放送)。
茶髪にピアスに派手なジャージ姿で、先生には呼び捨てでタメ口。
授業中だというのにガムをモグモグ、手にはケータイ、あるいはお喋りか居眠りか。
とても学校とは思えない無法地帯状態に呆れ「何だかなぁ・・」と思いながらも、結局4回とも見通しちゃったのはやっぱりどこか気になったからでしょか・・。
これは、ある女性ディレクターが埼玉・浦和商業高校定時制の2002年の新入生が卒業するまでの4年間を追ったもので、特に放送するアテもないのに撮り続けたことには素直に感服。
それに、なかなか数字が取れないドキュメンタリーを、この時間帯に4回も放送した局の姿勢にも拍手。
だけど、いや『だからこそ』かな、惜しいなと思う点がいくつかあって、例えば取り上げられる生徒はほとんど冒頭のようないかにも見るからに問題児というコか、特殊な状況のコばかり。
そんなコたちが変わって行く様子は確かにドラマチックで、画としても迫力があるんだけど、教室の片隅にいたその他大勢のコたちのことももっと見せて欲しかったです。
服装も態度も控え目で、一見フツーなその他大勢のコたち。
元々定時制は何らかの理由で昼間の学校が難しいコたちが来ているから、そういう意味ではフツーとは言えないのかもしれないけど、一部のコだけにスポットが当たりすぎてたのが残念でした。
そして4回を通して、個人的にいちばん心に残ったのは『自分の感受性ぐらい』という言葉。
これは担任の平野先生が、クラスの半数近くがこのままでは進級できないと判明した時、生徒たちにあてた自作の詩のタイトル。
一部ですが----ぱさぱさに乾いてゆく心を、人のせいにはするな。
苛立つのを近親のせいにはするな。
駄目なことの一切を時代のせいにはするな。
自分の感受性ぐらい自分で守れっ!馬鹿者よっ!----という内容の詩。
『生徒が主人公』で、彼らの居場所を作るのがポリシーのこの学校では、生徒が何をしても注意しないし叱らない。
それは見てると、何か間違ってるっ!いくら何でも甘やかしすぎじゃないのっ?!と腹が立ってくるほど徹底してて、普段は平野先生も同様。
でもこの時だけは違ってて、補習を受ければ進級できる10名に語気を荒げ「諦めるなっ、くじけるなっ。
(補習の)4日間は盾突いてもらいたくないし、減らず口も聞くなっ。
せめて4日間素直に過ごしてくれっ」と。
よくやれるな我慢できるなぁと思い、でも本音は違うんじゃ?と、こんな光景をずっと待ってたはずなのに、満足感というよりは何故かあたくしにも突き刺さってきた『自分の感受性ぐらい自分で守れ』というメッセージ。
自分も含め、今の大人達にも聞かせたいと思ったし、立場や保身のためじゃなく「この人、自分に本気で言っている」と伝われば、人は素直になれるんだなぁと改めて思います。
でも、そんな浦商は高校の統廃合により、来年3月をもって廃校が決定。
時代の流れとは言え、『最後の砦』がまたひとつ消滅。。



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