テレビ万有時報vol.50
「ポスドクの嘆き・・の巻」

「コレ、見とくといいよ」と事情通の人から渡されたDVD。
何ナニ?と見てみたら「クローズアップ現代」(毎月〜木、NHK総合他で放送)7月3日放送分の「にっぽんの”頭脳”はいかせるか〜苦悩する博士たち」。
ふーむ・・確かに、「えっ?こんなことになってるの?」と愕然とさせられる内容だったのでした。
80年代、日本の自動車や家電製品に苦しんだアメリカは国を挙げて優秀な人材育成に着手。
莫大な予算が注ぎ込まれ、大学と企業間では人材交流や共同研究など密な連携が一気に進み、ITやバイオの分野で大きく日本を引き離した。
また中国を初めとするアジア諸国からの追い上げも激しく、このままでは世界に取り残される・・と、日本でも96年に博士を大増産する「ポストドクター1万人支援計画」をスタート。
そして2006年、日本は10年前の約2倍の15000人を越える博士を輩出。
・・と、ここまでは良かったんだけど、今その学位の最高峰である博士たちが就職難に喘ぎ、行き先を見失ってるらしい。
彼らには大学の職員となって研究を続けるか、あるいは民間企業で就職するかの大きく2つの選択肢がある。
でも大学は2004年以降独立行政法人化で人員のスリム化が進み、その結果助手などの就職口は激減。
残って研究を続けるには正式な大学職員ではなく、ポストドクター(通称ポスドク)と呼ばれる1年毎契約の研究員になるしかない。
一方、民間企業に就職しようにも、年齢の高さを理由に断られ(博士になるには学部卒業後、最短でも5年かかる)、また企業サイドで見ると専門能力は高いものの自分で研究テーマを立案〜実践していく力や協調性、コミュニケーション力に乏しいからと敬遠されてしまうことも多いみたい。
東大のあるポスドクの一人は『やせた土地でも育つ稲の研究の第一人者』として将来を嘱望されていたが、去年子供が生まれ1年契約では生活が見通せないと転職を決心。
でも民間企業の研究職を探したが見つからず、結局分析機器メーカーの会社に就職したが、仕事は何と営業職?!近づきつつある食糧難の時代に役立つと期待されていた彼の稲の研究は、ここでぷっつり止まってしまった。
この人だけでなく、博士でありながら40歳で年収400万の派遣社員として暮らさざるを得ない人もいた。
それに1人の博士を育てるためには1億円の税金が使われているとのこと。
・・もうっ、本当に何もかもが勿体ないし、何かが大きく間違ってる。
番組ではポスドクの有効活用に成功している企業や大学側の取り組みなども紹介されてたけど、こんな高級ニートみたいな存在を作り出しちゃった国は何か手を打ってるのかしらん。
ところでこの番組、今回のみならず、日本で世界で今何が起こっているか、硬軟取り混ぜて教えてくれる優秀な情報番組。
ネットカフェ難民と来たら右に倣えっと、そればっかりになっちゃう民放とは確実に一線を画してる。
でも、平日の夜7時半っていうのがねぇ、ネックです。
夕方の慌ただしさに埋もれさせちゃうには惜しいから、時間帯をもうちょっと工夫してくれるといいなぁ。



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