テレビ万有時報vol.47
「賞品は腎臓?!・・の巻」

死期間近の脳腫瘍患者の女性の腎臓をかけて、3人の候補者(レシピエント)がしのぎを削るリアリティーバラエティー番組「ビッグ・ドナー・ショー」。
どれだけ差し迫って移植を必要としているか、候補者本人たち、またその家族や友人も加わり必死の売り込み合戦を展開。
それを見た視聴者が投票して候補者が絞られていくが、最終的にはドナーとなる女性が誰に提供するかを決断する。
これはドラマでも小説でもなく、本当にあった番組。
但し、オランダのテレビ局BNNでのお話ですが・・。
オランダ国内はもとより、他国や日本の一部でも放送前から物議を醸していたこの番組。
あたくしも最初知った時は「な、なにぃっ?!」と熱くなり、でもその後は憤りを越えて、「ここまでやるのか・・」と虚しいような気持になったりしましたが・・いやぁコトはそれ以上にフクザツなのでありました。
政府や宗教者、識者らの反対を押し切ってBNNは番組を放送(現地で、6/1に放送)。
「ドナーの命を縮めても腎臓が欲しい」とアピールする候補者もいて、でもその発言が率直だと支持する人もいたりして、予定通り『候補者』も決定。
ところが最後の最後になって、司会者が「私達は腎臓を提供しませんっ」と宣言。
さらにドナーの女性は実は病気でも何でもない健康な『女優』だと告白、つまりお芝居による『作り話』だったわけです。
では、何故こんな人騒がせな番組を作ったのか?理由は、腎臓病に苦しむ人々への関心を高め、1人でも多くのドナー登録者を増やすため。
またドナー役は役者だけれど、3人の候補者は本当に腎臓病の患者で、すべてを承知の上で出演。
そして番組は反響を呼び、放送後実際にドナー登録者は増加しているのだそうです。
初めは怒って、途中は愕然として、最後は疲れ果てて・・まるで出来の悪いジェットコースターに酔ったような気分。
今も混乱しつつも、深く考えさせられるお話だったのでした。
倫理に反する。
悪趣味。
不謹慎。
等々、批判の声にはどれにも頷くばかりだし、『目的のためなら手段選ばず』っていうやり方にはもの凄く抵抗がある。
それに番組を見ていた人に、一時の感情でそんな決断をさせていいものか?とも思うし。
ただ、ここまでしないと現実は変わっていかないのかもしれないと、ちらっと頭の隅で思ったりもする・・。
多分そんなことは制作者たちも散々議論し、それぞれに逡巡したことだろうし、そんな一切合切を通り過ぎた上での『確信犯』。
それでもやっぱり心から賛同はできないけど、崇高なものだけでは人は動かないのかもしれないなぁ・・と、いつまでも揺れ続けてしまうのでした。。



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