テレビ万有時報vol.44
「やわらかな提言・・の巻」

フジテレビの朝の情報番組「とくダネ!」で、同番組キャスター・佐々木恭子嬢が先日パプアニューギニアで取材してきた「エイズ報告」がありました(5/28〜29に放送)。
以前も彼女が番組をお休みして海外取材に行ってたことがあって、その時は「議員さん達の海外視察みたいなものかしら?」と、やや冷ややかに見ていたあたくし。
キャピキャピした人が目立つフジ女子アナの中では、東大出ということもあってノーブル&アカデミックな雰囲気が嫌いではなかったけど『彼女にそんなハードな取材が?腰が退けちゃうんじゃないのかなぁ』と。
でも、その時のレポートが思いがけず心に残るものだったので、今回も期待を持って拝見したのでした。
そして報告は・・かなりショッキングでした。
一夫多妻の男社会なのに男達はほとんど働かず、医療・衛生・経済・・あらゆる面で劣悪な環境の中、HIV感染によって命を落としていく子供達。
若くして望まない妊娠をさせられ、それでも必死に赤ちゃんを守ろうとするまだ少女のような母親。
ある少年は発症した両親の世話をしているうちに自分も感染し、両親の死後兄弟と共に辛うじて親戚の家に身を寄せることはできたけど、薬はおろか食べ物も満足に与えられず独り壁もない小屋に隔離され、姉からも口も聞いて貰えない。
それなのに、恨みがましいことは決して言わない。
過酷な運命の中にあっても懸命に<今>を生きてる子供達の姿にも気づかされることばかりだったけど、そんな彼らに寄り添うようにして話を聞く佐々木さんが、やはり今回も強く印象に残りました。
声高に深刻に悲惨な状況を伝えるジャーナリストやドキュメンタリーは多くて、そうならざるを得ないほど現実は凄惨で切迫してるのは分かるのだけど、あまりに重すぎて時々見続けるのが辛くなってしまう。
それは「見過ごしてて平気なのか?」「人として恥ずかしくないのか?」と喉元にグイグイ迫られてるようでもあり、どこか後ろめたい気分にさせられるからかもしれない。
でも、佐々木さんのレポートはそういうものを感じさせない。
変に気負ったところがなくて、話し方も態度も普段スタジオに居る時のよう。
足がすくむような場所にも淡々と赴き、まるで友達に声をかけるように話しかけ、でも動揺すれば涙ぐんでしまったりもする。
「本当は取材者としては冷静に、一定の距離を持って接しなければならないのですが・・」と、彼女自身も話していたけど、逆にこんな自然な姿が見ている側には親近感を与え、問題との距離も縮めてくれるような気がします。
人に何かを伝えようとする時、大きな声で力ずくで訴えれば振り向かせることはできる。
でも関心を持続させ「遠い国の他人事」にさせないためには、彼女のようなやわらかで静かなアプローチが、結果的には良いのかもしれません。
なお、日本は先進国の中で唯一、HIV感染者が増加しているとのこと。
本当に『他人事』などではありません。。



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