テレビ万有時報vol.39
「カレンの光と影・・の巻」

何とはなしに見始めたらすぅっと引き込まれ、終わった時にはしんみりとしながらもどこか澄み渡ったような気分に・・。
テレビを見てこんな気持になるなんて、ホント何年ぶりでしょうか。
それは「プレミアム10〜『カーペンターズ・スーパースターの栄光と孤独』」という番組(4/20(金)NHK総合で放送)でのこと。
カーペンターズは勿論知っていたけど、パッと思い浮かぶのは妹・カレンの死で拒食症という病気を知ったことと、『優等生で人畜無害な音楽』というイメージ。
正直これまで関心も無く、曲をきちんと聴いたこともなかったのだけど、くすん、愚かでした・・。
彼らが活躍していた70年代の映像や名曲を紹介しながら、兄・リチャードや当時の関係者のコメントを交え、その軌跡を辿っていくという内容だったのだけど、いちばん惹き付けられたのはカレンの歌声と歌詞。
歌詞はカレンが書いたものではなく担当してたのはジョン・デイビスという人ですが、過酷なツアーに同行する中で彼女の孤独や苦悩を深く読み取っていたみたい。
本来シャイで表に出ることを好まなかったカレンが、ファンの求める『明るく清潔なお嬢さん』のイメージに応えようとして、そのために太ってはいけない美しくあらねばと、自らプレッシャーをかけて拒食症に至った・・という経緯。
カレンが何事にも完璧であろうとしたと知った後に、聞いた「青春の輝き」という曲の「そうよ、私は不完全な世界に完全を求めてる。
そしてお馬鹿さんなことに、それが見つかると思っているの」。
胸がしーんと静まりかえる。。

DVDを録らなかったのでうろ覚えだけど、こんなフレーズがそこかしこにあり「シンプルな関係でいようと言ったけど、自由はさよならを早めただけ」「今までしてきたことの中で一番難しかったのは信じ続けること」みたいなのもあって、嫌でも彼女の心情に思いを馳せてしまう。
これまでは『ただ健全で、耳ざわりの良い曲』で通り過ぎて来て、歌詞を吟味することもなかったけど、こんなに切ない思いが込められていたなんて・・本当に少しも考えもしなかった。
カレンが亡くなったのは1983年ですが、もう30年も前に拒食症に陥っていたこと。
その後拒食症が一般化して、深刻になってるいることなど考えると複雑な思いに駆られます。
女性の新時代と言われる一方で、年齢には関係なく女性はみんな痩せたがる。
痩せていることは=きれいで、きれいでいさえすれば幸せになれるという呪縛。
・・彼女の歌声がこんなに心に響くのは、歌詞がこんなに染み入ってくるのは、そんなところにも理由があるのかも知れないと思えてきます。
成功者に対しては、その才能に憧れながらも「でも、うまくやったな」みたいな気持もあって、なかなかその裏や陰には思いが及ばない。
でも『誰にとっても人生ってそう簡単なものではないな』と素直に思い至らせてくれた、本当に良い番組でした。
ああ、でも、これからはつい深読みをして、明るい曲であればあるほど泣いちゃいそうです・・。



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