テレビ万有時報vol.30
「こわーいけど、おさらい・・の巻」

暗い。
重い。
息苦しい。
そして、ひたすら沈鬱。
でも見始めたらずるずるっと引き込まれてしまう・・そんなおっそろしくも息詰まる迫力のドラマ「ハゲタカ」が先週から始まりました(毎土夜9時〜*放送時間一部変則、NHK総合)。
バブル崩壊から数年後の1998年、膨大な不良債権を抱え瀕死の状態の三葉銀行は外資ファンド相手に、債権をまとめ売りするバルクセールという手に出る。
「どんなヤツらが乗り込んで来るのか」と戦々恐々で待ち構える銀行の幹部達の前に現れたのは鷲津というまだ若い日本人。
しかもかつて三葉の行員だと分かった途端「何だ、うちでも勤まらなかったようなヤツか」と見くびる幹部達。
でも鷲津は巧妙に腹黒い役員・飯島を抱き込み、総額1千億の債権を1割以下の93億というタダ同然で買い叩く・・(まだこれはほんの出だし)。
ううむ、これは・・・相当面白いです。
経済にはとんと疎いあたくしでさえ、ハラハラ&ゾクゾクしながらちゃんとついていけました。
ほら、経済用語って言葉で説明されると分かりにくいけど、何だソレ?状態のバルクセールも帳簿を箱にポンポン詰めていくような見せ方で説明されてたからすごくイメージしやすかったし。
それにあんな在庫一掃セールみたいなの見ちゃうと、いざとなったら銀行って冷酷なんだと思い知らされるし、現実でも威張ってる割にボーっとした役員には実際あんな風に見せたのかもなぁ、なんて思ったりね。
そういう面では分かり易く工夫されているけど、人間や状況は緻密に濃厚に描き込まれているから、人間ドラマとしての見応えも充分。
加えてキャスティングがNHKにしては、いえNHKならではと言うべきかしらん、かなりシブいです。
メインキャストの大森南朋(鷲津役)、柴田恭兵(鷲津の元先輩で銀行側担当者の柴野役)のお二人もだけど、今回圧巻だったのは老舗旅館の経営者・西野役の宇崎竜童さん。
鷲津から「旅館を残したいなら2億作れ」と言われ、西野が自販機の小銭までもかき集めて土下座しに行くシーンは本当に壮絶で「宇崎さんって、こんなに巧かったっけ?」と思ってしまったほど。
西野は事故で亡くなってしまったから今回限りでホント残念だけど、でもその息子役の松田龍平くんがまたすんばらしく、彼は今後も深くカラんできそうなので期待大です。
重厚な人間ドラマといえば「華麗なる一族」もなんだけど、個人的にはどうも食い足りなくてねー(初回、あの「肖像画」でカクンとなっちゃった。
アハハ)。
これは金融関係にいた方にとってはまだ生々しいかもしれないけど、結局バブルって何だったのか、その後の日本ってどうだったのか・・等々、この十数年をおさらいするには打って付けだと思うし、さらにこれからの日本を考えるためのテキストにもなってくれそう。
学生ちゃんたちのお勉強にもお薦めです。



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