テレビ万有時報vol.138
「モラル無き時代だからこそ・・・の巻」

ある日、走行中のトレーラーから突然タイヤが外れ、飛んだ・・!それが近くを 歩いていた母子を直撃し、子供は奇跡的に軽傷で助かるものの母親は即死。警察 は当初からトレーラーを所有している運送会社の整備不良と決めてかかり、執拗 な捜査を行う。運送会社の信用は一気に失墜し、仕事は激減。さらに社長の赤松 (仲村トオル)の家族も周囲から孤立。追い詰められていく赤松たちだったが、そ んな中、同じような事故が以前にも起こっていることを知る。そして事故の原因 は、実はトレーラーそのものにあるのではないかという疑惑が浮上してくる・・。

楽しみにしていたドラマ「空飛ぶタイヤ」が始まりました(毎週日夜10時〜、W OWOW)。一瞬、絵本を思わせるようなタイトルですが、中身は骨太な社会派 ヒューマンサスペンス。展開や登場人物たちの動きが本当にリアルで、ついフィ クションだということを忘れてしまいそうな緊迫感に溢れています。

冒頭の説明だと、赤松は事故の責任をなすりつけられた被害者のように思えます。 実際そうなのですが、事故の一報を受けた時、その事故車の整備を担当した若い 整備士・門田に「大体、その金髪にピアスは何なんだっ!」と一方的に怒鳴りつ け、詳しい説明も聞かずにその場でクビにしてしまいます(後で、門田の整備に 不備はなかったと分かり、謝って連れ戻すんですけどね)。

一方、赤松から事故の再調査を再三要請される自動車会社のカスタマー戦略課長 ・沢田(田辺誠一)も、最初は赤松をクレーマー扱い。なのに自社に非があるか もしれないと分かった途端、リコール隠しを外から暴かれたら終わりと、先に証 拠を掴もうと動き出す・・。

誰もが表面上は「人ひとりが死んでるんだぞっ!」と口にするけれど、それぞれ が自分の立場や会社を守ることばかりを考えていて、亡くなった人のことは頭に ない感じ。それに人を見るときも見た目や先入観で決めつけたりと、その描き方 がホントに生々しくて「現実も、多分こんな感じなんだろうなぁ」と思えてきて、 ちょっと怖いようなやりきれないような思いになります。

また、まだ真実も何も不明なうちにニュースが先行して、それで状況が一変して しまう恐ろしさもひしひしと伝わって来ます。赤松の運送会社もまだ何もはっき りしていないのに、次々と大手からの取引中止が相次ぎ、あっと言う間に倒産の 危機を迎えてしまい、その早さと影響の大きさに翻弄されるばかり。 でも、実際の事件などでも容疑者が捕まったと報道されると、その人が犯人なん だろうと9割方は思ってしまうし、その時点で当事者や関係者以外の人にとって はその事件は終わってしまう。何を以て、いつの時点で”真実”とするかって、 すごく難しいことなんだと改めて思わされます。

ただ、今はまだ登場人物の誰もが自分の保身に精一杯だけど、彼らが変わって行 くのか、変わるならどこでどんな風に変わって行くのかをぜひ見届けたい。本来 人は、企業は、どうあるべきかを鋭く深く問いかけてくるドラマになりそうです。 *4/4(土)、午後0時半より第1話の無料再放送があります。



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