テレビ万有時報vol.136
「思いの強さは言葉も超える・・・の巻」

よその国の大統領、英語だから細かなニュアンスも分からない。なのに、つい聞 き入ってしまい、グイグイと引き込まれて行って、やがて何とも言えない気持に なる。熱いけれど浮ついた感じではなく、変に煽ったりおいしいことも言わない。 でも確実に心の中は揺り動かされていって、思わず一緒にYes、we can!(笑)

いかにもミーハーって感じでちょっと恥ずかしいのですが、オバマ米大統領の演 説に触れ、その魅力に心動かされた方は日本でもたくさんいらっしゃいますよね。 普段、自分の国の政治家の演説をまともに聞いたことはほとんど無く、まして心 打たれたことなんてほぼ皆無。日本語でも何が言いたいのか分からないことが多 いのに、この人の思いは言葉の壁も越えて伝わってくる・・。オバマさんの演説 を聞く度に感動しつつも、少し情けないような羨ましいようなフクザツな気持も あって、そんな彼の演説の魅力に迫るという「オバマのことば」を拝見してみま した(3/13、NHK総合で放送)。

これまでの演説のダイジェストにナレーションでの解説、みたいな構成かなと思 っていたらスタジオでのトーク形式で、ゲストが天野ひろゆき、熊田曜子のお二 人(学者の方もいらっしゃいましたが)。いや、お二人がどーのということでは ありませんし、それだけオバマ大統領への関心はポピュラーだという証しなのか もしれませんが・・やや意外な感じ(NHKも柔らかくなりましたねー)。

過去の演説を見てはスタジオトーク、次の演説〜トークという流れで番組は進行。 まとめて聞くと改めてその迫力に圧倒されますが、最も印象的だったのは最初に 取り上げられた演説でした。それまで米国でも無名に近かったというオバマ氏が、 一躍注目を集めたというのが2004年J・ケリー氏を大統領候補として選出し た民主党党大会での演説。ケニア人の父とアメリカ人の母がハワイで出会い自分 が生まれたという生い立ちを語り、そして「そんな自分が今ここにいるのは『自 由で平等な国、アメリカ』だからだ」という、後の演説の原点ともいえるような 内容。また、少なくとも聞いた中にはケリー氏や民主党を持ち上げるようなフレ ーズは一言も無くて、ちょっとそれにもびっくりでした。

ふつう政治演説というと自分(こちら)はこんなに優れてると主張するか、向こう (敵)の弱点や失策を攻撃するかですが、そのどちらでも無くまずアメリカそのも のを信じていると宣言。一歩間違えれば「青臭い」と片づけられるリスクもあっ たかもしれないのに、それを人々に素直に思い起こさせ、そこからより大きな支 持を得ていったのはやはり彼だったから、なんでしょうね。まっすぐ前を見据え た視線、何かを覚悟しているような表情も言葉以上に多弁で、全身全霊で訴えか けてくるよう。何かといえば「遺憾に思います」で片づけるのとは全然違う・・ これってやっぱり思いの強さの違いなんでしょうか。。

言葉の力=政治の実務能力ということにはならないですし、早くも支持率に陰り が・・なんてニュースもありますが、少なくとも思いを伝えようとする所から始 まるはず。日本の政界にも「この人の言葉がもっと聞きたい」と思えるような人 が(もちろん迷言・失言の類ではなくてね)出てくるといいですねぇ。



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