テレビ万有時報vol.132
「予測不可能なドミノ倒し・・・の巻」

今期は、最近では珍しく見続けているドラマが何本かありまして、そのひとつが 「ありふれた奇跡」(毎週木夜10時〜、フジテレビ系)。でも最初に白状しておく と、見始めたのは3回目からです。脚本が山田太一氏というのは気になったので すが、反面「きっとそういうテイストなんだろうなぁ」という気がして、またこ の「ありふれた奇跡」というタイトルから「言わんとするメッセージも想像でき ちゃうな」と思ってしまったのがその理由。ところがたまたまうっかり見てしま い、見始めたらやめられなくなってしまって・・現在に至ります。

『○○なんだけど・・』『そうなんだ。。』『そっちが』『こっちは』等々の独 特の台詞回しに「ああ、これこれ。この感じ」と思いながら、でも同時にちょっ とイラつくような感じもあり(苦笑)。だけどそれがクセになる・・というのが、 山田太一ワールドでしょうか。そして台詞だけでなく、登場人物もその描き方も またこの方ならではの世界。

登場人物はみなどこにでもいそうな人々。ただ、それぞれに秘密や傷を抱えてい る。その秘密や傷はそんなトクベツなものではなく、いつもはほどほどに明るく 常識的に振る舞い、とりあえず何ということもなく日々を送っている。

不治の病とか、実は血の繋がった兄妹だった・・みたいな卑怯な(笑)劇的展開は なく、大悪人もスーパーヒーローも出ては来ない。けれど、何かの拍子で秘密や 傷が顔をのぞかせ、一見淡々としていたそれぞれの人生に微妙な波風が立ち始め ると、見ている自分までもザワザワとしだしてふとじーっと見入ってしまう。

それは、予測できないドミノ倒しを見てるような感じです。倒れるはずじゃない のが倒れ、倒れるべきところでピタッと止まる。それが面白さでもあるのだけれ ど、予定調和的じゃないから見てる自分も何だか不安定で落ち着かなくて、時々 『イーっ』となっちゃう(笑)。

要領が悪かったり、深く考えずに先走っちゃったり、大事な時に妙な意地を張っ たりして、なかなか思うように生きられない登場人物たちはつまり・・私たち? だから、こんなに鬱陶しいのかしらん・・?だとしたら、こんな思いは実生活で さんざん味わってるわけですから、何もドラマでまで疑似体験する必要なんて無 いのですが、「ああ、もうめんどくさい人たちっ」と思いながら、でもやっぱり 気になっちゃう。もうっ、いったい何なんでしょうねぇ(苦笑)。

本音としては、できることなら面倒なことは一切したくない。煩わしい人間関係 も疲れるし、収入だって効率よくサクサク得たい。ムダな時間も手間も、省ける ものはぜーんぶカットして、好きなことだけしていたい。ただ、これを見ている とその『面倒で』『ムダとも思える』事柄そのものが実は日々を形作っていて、 それが人を傷つけもし、時に支えたりもしながら世の中は成り立っているのかな ぁという気もしてくるのです。まだ、よく分かんないですけど。。。

ま、とにかく厄介なドラマですが、とりあえず女装趣味のオヤジ達(岸部一徳、 風間杜夫)の艶姿?は見ものです(実はこれ目当てだったりして・・ふふっ)。




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