テレビ万有時報vol.121
「許し、許されるコトの意味・・・の巻」

最近世の中で起きていることや人々を見ていると、みんなとても短気になってし まった気がします。怒りが沸点に達するのがとても早くて、しかもなかなかそれ が収まらず、一度振り上げた拳は誰かや何かに思い切り振り下ろさなければ気が 済まない。勿論どうあっても許せない犯罪もありますが、例え些細な事でも許す 事を忘れた人が増えちゃったみたいです。でも、そんな『人々』の中にはしっか り自分も含まれていて、決して他人事ではないのですが・・。

そんな中、毎回見る度に静かな気持にさせ、ふと立ち止まらせてくれるのがドラ マ「風のガーデン」(毎週木夜10時〜、フジテレビ系)。ベースは人間の生と死と いう重く深いテーマですが、個人的にはいつも「許す」「許される」という言葉 が浮かんできて、それが見終わった後もしばらく頭の中を行き交っています。

ご覧になっている方も多いとは思いますが・・主人公は中井貴一さん演じる、麻 酔科医の権威・貞美。中年の割には爽やかな風貌で誠実そうに見えるのですが、 これがとんでもないスケベなお医者さん(笑)。

でも笑い事ではなく、その度重 なる浮気が原因で妻は自殺。父親の貞三(緒形拳)からは絶縁され、二人の子供 とも離れて暮らすうち自身が末期ガンを患い、死と家族に正面から向き合うこと になる・・というかなり皮肉でハードなお話です。現在のところ、まだ貞三から は許されてはいませんが、周りの人々がゆるやかに貞美を受け入れ始め物語は佳 境に入りつつあります。

そういえば倉本聰さんのドラマって、いつも『過ち』が描かれてますよね。「北 の国から」の純や蛍もそうだったし、まだ記憶に新しい「優しい時間」の拓郎も 自分のせいで母親を死なせてしまうという重い過去を背負っていましたっけ。 男女間・親子間の裏切りや争いは現実でも日常茶飯事だけど、そこに死が絡んで くるとそれは「取り返しのつかない罪」になってしまいますからねぇ。。

でも、倉本さんはそんな取り返しようのない過ちでも、いずれは再生できること をいつも描いてらっしゃいます。許すことは簡単なことではないし、それなりに 時間も必要だけど、許す側もそのことで解き放たれる部分があるし、また許され る側も当然それは大きな救いになる。

だから許し・許されることって、生きてい く上で大事なことなんだよと、常にそんなメッセージか込められているような気 がします。設定はいつもギョッとするほど生々しいけれど、見ていて最終的には 不思議に穏やかな気持になれるのはそんなところにあるのかもしれません。

また、恋の素晴らしさを謳うものはドラマでも歌でもたくさんあるけれど、怖さ を描くものは少ないし、何気ない仕事や生活の場面もじっくりと作り込んである のも倉本ドラマならでは、ですよね。平原綾香さんの歌う主題歌「ノクターン」 の美しくも哀しい調べに緒形さんを想いながら(彼女、演技も結構いけますねー)、 毎週静かに物思うひとときを運んできてくれるドラマです。

折しも暦は、そろそろ12月。せっかくこんな想いにさせてもらったのですから、 自分のココロの中の大掃除もしなくちゃなーと思っております。




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