テレビ万有時報vol.119
「まだしばらくは夢のままに・・・の巻」

子供の頃の話ですが「自分も超能力者だったらいいのになー」と、一時かなり真 剣に思っていました。でも中学生になった頃、筒井康隆さんの『七瀬3部作』を 読んでつくづく「あぁ、超能力者も大変だなぁ」と(笑)。

小説の面白さにグイ グイ引っ張られながらも、超能力者ゆえの苦悩や孤独感が深く描かれていて、そ れまでの甘い願望をガツンと打ち砕いてくれたこと、今も鮮烈に残っています。 その3部作の中でもいちばん好きだった「七瀬ふたたび」がドラマになって放送 中です(毎週木夜8時〜、NHK総合)。過去にも何度かドラマ化されたようです が未見だったので、懐かしさと共にまた昔とは違う神妙な気分で拝見しています。

他人の心の声が聞こえてしまうテレパス(精神感応力者)、七瀬。未来が見えて しまう予知能力者、恒介。人やものを思いのままに動かせる念動力の持ち主、ヘ ンリー。幼い時は単純に羨ましがっていたそんな未知能力(ドラマでは超能力で はなく、こう呼んでいます)があるばかりに、人から気味悪がられたり、怪しま れたり、時に悪用されそうになる彼ら。

特別な力があれば、普通の人よりももっと自由に思いのままに生きられるんだろ うというのとは真逆で、かえって居場所も人間関係も限定され、生きづらくなっ ていく様子が見ていて何とも切なくなります。ただこれは一応フィクションです が、現実に同じような苦しみを背負った人がいたようで・・。

11/12放送の「日本史サスペンス劇場 悲劇の女2時間SP」(毎週水夜7時58 分〜、日テレ系)で、あの「リング」の貞子のモデルと言われている女性が取り 上げられていました。この番組は本当にあった日本史上の事件を、本格的な再現 ドラマで描いているなかなか面白い歴史バラエティーで、普段も時間があればよ く見ています。特にここのところどっぷり『七瀬ブーム』に浸っていたあたくし には見逃せないテーマで思わず食いついちゃったのですが、そんなミーハーな気 分は吹っ飛んでしまう考えさせられる内容でした。

明治時代、遠くの出来事や密封された箱の中身、炭坑の鉱脈や病人のどこが悪い かなども当てることのできる”千里眼”の持ち主として一躍注目を集めたのが、 御船千鶴子という女性。

その不思議な力が本物かどうか見極めるとして、当時の 学者たちに散々実験させられ、挙げ句ペテン師と呼ばれ傷ついた彼女は服毒自殺 という形でこの世から消えてしまいました。まだ26才という若さでした。汚名 を着せられた屈辱もあっただろうけれど、自分の能力がらみで思わぬ大金が舞い 込み、それで身内同士が醜く争うのにも耐えられなかったようです。

個人的には今も漠然とではありますが、超能力は存在する・存在してるといいな と思っています。でも、結局人間ってそれを本当の意味で有効には使いこなせな いし、まだまだよってたかって壊してしまうみたいです。仮に本当にそんな方た ちが居たとしても、今みたいな殺伐とした時代にはおっかなくて出てこられませ ん。超能力者が超能力者だと普通に名乗れる時が、いつか来たらいいですね・・。



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