テレビ万有時報vol.105
「過酷で贅沢な時間の賜物・・・の巻」

ポ〜ニョ、ポニョポニョさかなの子ぉ〜♪・・と、今日もまた無意識に歌ってお りました。外だろうと人がいようと、関係なくやってくるポニョタイム。小さい 子なら可愛らしいけど想像すると・・ちょっと怖いです。でも日本全国老若男女、 このポニョ症状に陥ってる方は少なくないようですから、ま、いっかな(笑)。

まだ映画「崖の下のポニョ」は拝見してないのですが、「プロフェッショナル・ 仕事の流儀」(毎週火後10時〜、NHK総合)で『宮崎駿のすべて〜「ポニョ」密 着300日』と題したスペシャル版が放送されるというので、鑑賞前の下勉強も かねて拝見してみました。アニメの現場は厳しいと漠然と知ってはいましたが、 そこに映し出されていたのは、本当に過酷で濃密な時間の連続。

5秒のカットを描くのに1週間かかるという、それでなくても気の遠くなるよう な作業。なのに『背景をチラッと横切るだけの鳥』にも「鳥を描こうと努力して ない。これじゃ飛ばない!」と延々と容赦なくダメ出しをし、挙げ句「ケンカを 売られてる気がする」と言い放つ宮崎監督。売ってるのはどっちかと(苦笑)。 ふつうここまでメッタ打ちされたら殴り合いになるか、プツッと切れて辞めちゃ うんじゃ・・と心配になるほどでしたが、そうはならないのはやはり監督自らが 「持てる力すべてを捧げる」という姿勢に徹してるから、なんでしょうね。

そしてとても意外だったのが、映画構想の最初の時点でストーリーを考えるので はなく、まずは監督が『描きたいと思う場面をイメージボードにする』というや り方。だから物語がどうなっていくのかは、監督自身も、もちろん周りを固める 350人のスタッフにも分からないんだそう。 宮崎アニメって自然破壊とか肥大する欲望の怖さとか、強いメッセージが込めら れているものが多いから、まずは荒削りでも最初にがっちりとしたストーリーが あるものと思っていたので、これはホントに意外でした。

でも、そうやってイメージを描いている間に自分の引き出しが少しずつ開き、ま たキャラクターはより明確になり、ストーリーも動き出し『リアリティーが増え て行く』らしい。監督曰く「映画はただの空想から生まれるものでなく、全ては 自らの内なるところにある」「どんなに隠蔽しても自分が見えてしまうもの」。 これも意外というか虚を衝かれた言葉でしたし、また「人に楽しんでもらえたら、 自分の存在が許されるのではないか」という一言も心に残りました。 物理的な作業の手間や時間もだけれど、「こうじゃない、こうでもない」と妥協 せず悶々と手探りで創っていくのは、命を削り取るような過酷さ。だけど、反面 それはとても贅沢で豊かで、そうやって命を吹き込まれじっくりと育まれるから 宮崎アニメは色褪せず、何度見返しても面白いんだろうなぁと思います。

民放が映画のメイキングをやると、どうしても映画宣伝の繰り返しになって見る 前からお腹一杯になっちゃいますが(仕方ないんですけどね)、こういうふうに 見せられるとよりソソられます。贅を尽くした作品、近々見に行こうと思います。 あ、それにオリンピックもいよいよ開幕。問題山積みだけど、競技はやっぱり見 たいですもんね。忙しい夏になりそうです♪




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