テレビ万有時報vol.104
「現実は重すぎて・・・の巻」

お菓子からブランド牛、比内鶏にうなぎ・・と、一向に後を絶たない食品偽装問 題。あまりに多すぎてつい忘れてしまうことも多々ありますが、『雪印食品の牛 肉偽装事件』のことは今も記憶に残っている方、多いんじゃないでしょうか。

国産牛肉にBSEにかかったものがあると判明〜そのため国が国産牛肉を買い取 るという措置を実施。国産肉は輸入肉より高値。だから安い輸入肉を国産と偽っ て高く買い取ってもらえばその分だけ儲かる・・という、何ともセコい詐欺。そ れを何と「あの雪印が」というのも衝撃的でしたが、この不正を告発した冷蔵会 社「西宮冷蔵」が廃業に追い込まれたというのが何ともやりきれなくて、その時 の後味の悪さが一層この事件を印象強くしていました。

・・と前置きが長くなっちゃいましたが、当時の告発に至った経緯からその後の 思いも寄らなかった過酷な展開、そして”今”を再現ドラマで描いた「たったひ とりの反乱」(7/30 NHK総合で放送)を感慨深く拝見しました。 その後地道な努力で西宮冷蔵が再建されたことも含め、他の報道やドキュメンタ リーなどで一連の概要はだいたい知っていたつもりだったのですが、初めて見聞 きすることも多く「え・・?」と何度も呟いていました。

最初に偽装が分かった時、西宮冷蔵の水谷社長は取引先を守りたい思いで「故意 でやったのではなく単純なミス」で穏便に済ませようと、何度も雪印側に働きか けたこと。でも何度忠告しても雪印側は「いいから。黙っといたら分からへん」 と、まともに耳も貸さなかったこと。 担当者が脅されて『不実記載の在庫証明』の伝票を出したことを咎められ7日間 の営業停止〜結果、廃業へと追い込まれ途方に暮れている時、雪印食品の元社員 が訪ねてきて恨み言のひとつも言われると思ったら謝罪され、その時「ぜひ会社 を再生して欲しい」と励まされ、再建への道を歩き出したこと。

(社長本人へのインタビューで)西宮冷蔵での雪印の取り扱いは10%だったが、 もし全体の5割6割だったらそれでも告発したか?の問いに「分からないが、違 ってたかもしれない」と、率直に答えていたこと。 そして2004年3月24日に営業再開にこぎ着けたものの、今も稼働している スペースは半分くらいで、その中に食肉は1ケースも無いこと・・。

例え気になっていた事件でも「犯人が捕まった」「判決が出た」等々、何か進展 があったと耳にした時点で自分の中では<済み>として終わって行きます。これ も営業再開と知った時に「良かったね」でほぼ終了していたのですが、現実はそ う単純ではなく、重くて、厳しくて、それがずっと続いているんですよねぇ・・。 現実はゲームのように簡単にリセットできないのだと、改めて思い知ります。

でも「ホントにこの国って一体どーなってるの?!」と思うことが多いなかで、 まだこういう人もいるんだということ、揺れながらも強く正直に生きていること に励まされもしました。再現ドラマも「なぞればいい」というちゃっちい感じじ ゃなく熱く良い出来で、見応えある45分でした。多くの方に見て欲しいので、 また再放送されるといいですね。




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