テレビ万有時報vol.102
「圧倒されました・・・の巻」

悲願の北京オリンピックまで、あと○月。経済優先から真の大国へと転換を図る 中国。今、さまざまな矛盾が、激流となって押し寄せてきています・・。 毎回、こんなナレーションで始まった「NHKスペシャル」の大型シリーズ企画 『激流中国』。この言葉がそらで言えてしまえるぐらい見続けてきましたが、先 日とうとう最終回を終えました(7/13放送、NHK総合)。

去年4月に始まり、ほぼ1ヶ月に1回のペースで全13回に渡り放送されたこの シリーズ。毎回その内容は衝撃的で、見終わるとグッタリしてしまうほど。でも 何を見ても少し時間が経つと忘れ去っていってしまうことが多い中、この『激流 中国』だけは今もほとんど残っていて、ふとした時に「あの農民は、あの町の人 はどうしてんるんだろう?」と思い返すことも少なくありません。

目の前に豊かな水があるのに、北京の水源を確保するために自分の田畑はおろか、 飲み水や生活用水にさえ事欠く農民たち。でも北京ではその水を豪華な高層マン ションの住民たちが日に何度も浴びるようになったシャワーに、あるいはオリン ピックを控え街の景観を美しくするための樹木に・・と、それこそ湯水のごとく 使われていました。

中国の主要都市とチベット自治区・ラサを直結する「青海チベット鉄道」が開通 し、”秘境”だったチベットは一気に『観光地』へと激変。次々と建てられたホ テルのなかでも、とりわけ目立っていたのはある中国人のやり手経営者のホテル。 観光客はチベット的なものが目当てなんだと、伝統音楽や舞踊をイベント化して ホテルの売り物にしたり、近隣の村でチベット仏教の祭具を買い叩いて回ったり。 そこにチベット人や宗教への敬意や配慮は全くなく、目的は利益につながるため だけの『チベット的』なもの。だけど、自分だってよく観光地などで本物ではな く「それっぽいモノ・雰囲気」で喜んでた側なので・・フクザツです。

ただ後に起きたチベット暴動をダライ・ラマ14世が「文化的虐殺」だと非難し たのも、悲しいかな、これを見てたおかげでよく理解できたのでした。。

激流・・それも水ではなく、噴き出したマグマがコントロール不能のまま人の心 も生活も環境も飲み込んでるような今の中国。それをただ「おっかない国」と言 うのはたやすいけど、でも程度の差こそあれ、どの国でも似たような経緯はあっ ただろうし、今だって自分も含めそれぞれの中にあの「やり手ホテル経営者」の ような部分が大なり小なり潜んでいるとも思え、だから時間が経っても忘れられ ないんだろうなと思います。

本国・中国では、あまりに「いま何が起こっているのか」が率直に描かれていた ため規制の動きが激しいようですが、やっぱりできれば中国の方たちに見て欲し いです(日本では一部「YouTube」などで、今もチェックできますよ)。 またこういう企画はこれこそNHKならではのもの。取材はさぞかし大変だった ろうと思いますが、タイムリーで意義深いシリーズでした。次は北京オリンピッ クや上海万博の『その後の中国』も、またぜひ。




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